食物アレルギーを持つお子さんが増えてきている昨今、保育園や幼稚園の給食やおやつでも、かなり細やかなアレルギー対応をしている施設が増えてきている印象があります。
そのような流れから、おもに0歳~6歳の未就園児が申し込むことのできる一時保育(一時預かり保育)制度も同様に、食物アレルギーがあっても利用ができると考えてしまいがちではないでしょうか。
ところが、実際には食物アレルギーを持つお子さんの一時保育・一時預かり保育が可能な保育施設探しには、大きなハードルがある場合も多いのです。
「うちの子も食物アレルギーがある」
「自分が病気の時や急な冠婚葬祭の時には子どもを預かってもらいたい」
「今は一時保育の必要はないけれど、万一に備えたい」
というママさんは、ぜひ事前にこの記事をお読みになり知っておいて頂きたいと思います。
目次
【一時保育】ってどんな制度なの?
一時保育(一時預かり保育)とは?
一時保育(一時預かり保育)とは、保護者の就労や傷病などの理由により、家庭でお子さんを保育できない場合、緊急・一時的に保育施設などで保育施設などで預かりをしてくれる制度のことです。
実際の利用条件は、各自治体や受け入れ先の保育施設により様々のため、ご検討の際は必ず事前にお住いの自治体等へご確認ください。
一時保育が利用可能な条件の一例
- 保護者の就労形態などが生じた場合
- 傷病・出産・介護・災害・冠婚葬祭などのやむを得ない場合
- 育児リフレッシュや学校行事など保護者の私的な理由が生じた場合
あくまで一例ですが、一般的には上記のような理由を条件に一時保育を受けられる場合が多いかと思います。
就労や病気、冠婚葬祭などのやむを得ない事情だけでなく、ママの育児リフレッシュ目的で利用することができるというのも子育て支援という面ではとてもありがたい制度ではないでしょうか。
【体験談】食物アレルギー児の一時保育先さがしレポート
ここからは実際に私が体験した、食物アレルギーを持つ子どもの一時保育(一時預かり保育)施設探しについてレポートします。
まずはじめに結論を言わせてください。
私が住む自治体では、食物アレルギー児の一時保育(一時預かり保育)が可能な保育施設は無かったのです。
定員が埋まっていない限り、当然のように一時保育制度へ申し込むことができると安易に考えていた私ですが、これにより丸2年間とても大変な思いをすることになってしまいました。
読者の皆さんにはこのような苦労されないよう、早めにご確認をして頂きたいと切に願いますので、ぜひレポートを最後までお読みくださいね。
【親の入院・介護問題】2歳児の一時保育先さがし
食物アレルギーを持つ私の子どもが2歳だった頃、ちょうどわが家はいくつかの問題を抱えていました。
義理の親、私の親が立て続けに大きな病気になり入院や介護生活を余儀なくされてしまったのです。
親の入院中は、遠くの街の大きな病院まで、お見舞いのほか必要品の買い出しや差し入れ、洗濯物の入れ替え等のため、ほぼ毎日のように小さな子どもを後ろに乗せて車を往復させる日々。
幼児期の大切な時間のほとんどが車の中と病室の行ったり来たりで終わってしまう毎日の繰り返しで本当に辛かったです。
親の心配はもちろんありますが、まだ小さかった子どもにとっては何が起きたかも分からず、むずがったり泣き出したり。当然ですよね。
このままじゃいけない!
私が毎日病院へ向かうのは仕方ないとしても、その間子どもを適切に預かってもらわなくては!そう考えたのが一時保育(預かり保育)施設探しを始めた大きなきっかけでした。
義理親も私の親も、数日前までは何のことはなく元気に生活していました。
ですのでそんなに急に大病をするなんて考えてもみなかったというのが本音です。それだけ病気や介護の問題は当然やってくるものなのです。
わが家は大丈夫・・・そう思い込まずに、先手を打って何かあった時のために、お子さんの一時保育先を確保しておくことはとても重要だと思います。
自治体の子育て相談員へ相談する
私の住む自治体では、一時保育受け入れが「満2歳から」という保育施設がほとんどでした。いずれも月齢が早い順に次々と申し込みがあるため、すぐに定員がいっぱいになってしまうことは事前に聞いたことがあったので、今回も早めに行動したつもりでした。
私が一時保育の申し込みについて相談をしたのは、自治体の子育て支援コーディネーターさんです。地域の子育て支援センターを巡回しながら、ママさん達の子育てのお悩みや、いろいろな相談を聞いてくださる相談員さんという位置づけの方です。
その方に、「親が入院がしており今後は介護の問題も考えられます」
「食物アレルギーを持つ子どもの受け入れが可能な保育施設はどこでしょうか?」
というような相談をさせて頂きました。
食物アレルギー児だと一時保育で預かってもらえない?
そこでコーディネーターさんに言われたのが、「基本的に市内の保育施設では食物アレルギー児の一時保育受け入れができない」ということでした。
市内の保育園や幼稚園では食物アレルギー対応は行っているものの、それは在園児(毎日登園する子ども)に限られた対応であり、一時保育の子どもには対応していないとのこと。
念のため、市内各所の保育施設へ食物アレルギーを持つ子どもの一時保育の可否を電話で問い合わせてみたところ、やはりどこも不可とのことでした。
確かに一時保育の子どもは毎日登園するのではなく、日々入れ替わりとなる場合がほとんどなので(多くて週3日程度など決まりがあります)、栄養士さんや保育士さん等、職員の方がすべての子ども達の食物アレルギー情報を把握して対応するのには負担が大きすぎるという事情もあるのかもしれません。
万が一、誤食事故が起きてしまってからでは遅いので、対応できない場合にはしっかりをお断りを頂く方が安心でしょう。
このような施設側の事情はとてもよく分かりますが、どうしても一時的に子どもを預かって欲しい場合というのは、誰にでも起こり得ることですよね。私自身も困り果ててしまいました。
食物アレルギー児の一時保育先が見つかる
一時保育先の施設が見つからないため、親の介護を理由に子どもを保育園へ入園させることが可能か否か等も念のため調べてみましたが、その場合も待機児童問題があり、すぐには入園できないと分かり断念しました。
それから1年後の現在、子どもが3歳の誕生日を迎えたことを機に、幼稚園へ満3歳児入園させることになり、ようやく問題は解決へ向かっています。
そんな中ついに、わが子の一時保育先が決まったのです!
それは民間で一時預かり事業を行っている団体の託児ルームです。利用時間は1日最大3時間までですが、それでも私たち親子にとってはとても助かりました!
この民間の託児ルームだと、お昼の時間を挟む場合は、お弁当や軽食など各々お子さんに合わせて持参した食事を食べさせておいて頂けるとのことでした。
その他、比較的料金は高くなりますが、ファミリーサポート制度や訪問託児の制度を利用すれば、食物アレルギー児でも一時保育問題を乗り切れることが分かり、先の見えない一時保育先探しという私の精神的な負担が和らぎました。
さいごに
食物アレルギーを持つお子さんの場合、どうしても一時保育で受け入れ可能な保育施設が限られてしまうということが、今回の一件で身に染みて分かりました。
もし万が一のことがあった場合、皆さんが私のように慌てなくて済むように、食物アレルギーがあるお子さんを持つ方は、特に早めの行動で一時保育先を決めておくことが不可欠だと思います。
また自治体や施設によっては、食物アレルギーがあっても相談次第で受け入れ可能な場合がある、実際に利用している、というケースもあるようですので、「ダメなのかな・・・」と諦めてしまう前に、何件か問い合わせてみることもおすすめします。
その場合も、お子さんの特定アレルゲンの情報やアレルギー反応の程度など、できる限り不安を減らせるように、事前に詳しくやりとりをして信頼できる保育施設を探すようにしましょうね。
皆さんも良い一時保育先が見つかりますように!
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